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イギリス新特急【ヴァージンあずま】|なぜ日立は受注できたのか?イギリスの反応は?

   

イギリスの新特急を日立製作所が受注し、そのお披露目が2016年3月に実施されました。その名もヴァージンあずまです。ちなみに、車体にもしっかりと平仮名で「あずま」と書かれています。この路線はロンドンからスコットランドの中心部までを結ぶ大型受注です。

イギリス新特急ヴァージンあずま_001出典 http://omura-highschool.net/

なぜ、日立はこれほどまでの受注をイギリスで獲得することができたのでしょうか。今回はそのヒントを探るべく日立のイギリスでの受注の歴史を海外の反応なども交えながらご紹介したいと思います。

 

ヴァージンあずまって?

ヴァージンあずまは日立製作所が製造した、イギリスの首都ロンドン~スコットランドの首都エディンバラをメイン路線とする動力分散型鉄道車両のことです。最高速度は225km/hで、当区間を従来より20分速く結び約4時間での運行を可能としました。

最大の特徴は電気・ディーゼル両用の動力を有していることで、電化区間では架線より集電し、それ以外の区間では床下のディーゼル発電機から電力を得ます。

イギリスの多国籍企業ヴァージン・グループ傘下の鉄道会社 ヴァージン・トレインズ・イースト・コースト 社の下で、2018年に営業が開始される予定です。

明治5年に日本に伝わった鉄道は全てイギリスから輸入されたものでした。そのイギリスに140年以上の月日を隔てて、日本の車両が走ることになるとは感慨深いものがありますね。

 

ヴァージンあずまの名前の由来

由来はシンプルで上記鉄道会社の ヴァージン とイースト・コーストを意味する東の和名 あずま を合わせて、ヴァージンあずまとなりました。

 

日立のイギリスでの受注の歴史

日立はこれまでにもイギリスで受注を積み重ねてきました。

 

ジャベリン

最も有名なのは、日本メーカーが初めて受注したヨーロッパの鉄道車両 ジャベリン でしょう。

これはロンドンから英仏海峡トンネルの入口があるフォークストンまでのスピードアップを目的として日立に制作依頼がありました。現地での評価は非常に高く、2012年のロンドンオリンピックではメイン会場までのアクセス用列車 オリンピックジャベリン としても活躍しました。

 

近郊型車両465系

さらに、サウスイースタン鉄道で使用される近郊型車両465系の更新案件を受注しています。

この車両は製造当初より信頼性に多くの問題を抱えていましたが、制御装置などの足回り一式を日立製に交換し車両を納品しました。結果、465系はその後故障はほぼなくなり、品質面で日立は非常に高い評価を得ることになりました。

このような功績を着実に積み重ね信頼を得てきたことや、現地での雇用を生み出す企業努力などが ヴァージンあずま の受注に繋がったのではないでしょうか。

 

ヴァージンあずまへのイギリス人の反応

イギリス新特急ヴァージンあずま_002出典 http://www.sankei.com/

やはり日本人としては、これから走るイギリスでの反応は気になりますよね。お披露目されたときのイギリス人の感想をご紹介します。

 

肯定派

ほとんどが肯定的に受け止められていて、ヴァージンあずまは歓迎されているようです。

「我々が鉄道車両の製造業者を失ってしまったことは悲しいけど、この列車に乗れることがとても楽しみだ。」
「おお!早くこの車両の工場を見学したい!息子は絶対に見学したがると思う。」
「もはや未来の乗り物だ。早くこの車両に乗ってみたい。」

日本人の目から見てもかっこ良く見えますからね。イギリス人も概ねは好意的に見てくれているようですね。

 

否定派

一方で、否定的な意見もあります。そのほとんどは車両が生産される工場の雇用に対して向けられているようですね。

「多額の税金が、なぜイギリスの列車ではなく日本の列車を買うことに使われるのか。」
「これはイギリスの雇用ではない。労働組合が1,2年でこの工場を閉鎖に追い込むだろう。」
「これは工場とは呼べない。日本から送られてきた部品をボルトでつなげる作業場に過ぎない。」

やはり、国外からの企業が大きな仕事を受注してしまうと多かれ少なかれ反論はあるでしょうね。現地の雇用といかに調和しつつも日本の技術を受け入れてもらうか、本当に難しい問題です。

今後イギリスではさらに大きな8兆円規模の鉄道事業の計画があり、日立はここも狙っています。現地雇用との摩擦を上手く回避して是非受注につなげてほしいですね。

 

まとめ

イギリス新特急【ヴァージンあずま】についてご紹介してきました。

受注するまでに日立がいかに信頼を積み上げてきたかが分かりますよね。恐らく性能の点では、評価を下げるようなことはまずないと考えられます。運用面で日立側がどこまで関わっているかは不明ですが、ここもアドバイスする立場にあるのであれば尚更不安はないでしょう。

やはり問題は現地での雇用ということになると思います。部品レベルのものを全て日立が造り、それを現地でただ組み上げるだけと言う雇用にイギリス側の国民感情がどこまで許容できるかというところになると思います。まぁこれは海外企業が受注した時に全てを避けることは難しく、その時々の情勢を見極めながら対応していくしかないでしょうね。

何はともあれ2018年のヴァージンあずま運航開始までは、日立には世界に誇れるジャパンクオリティのものを送り出せるよう頑張ってもらいましょう。

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