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南シナ海問題|仲裁裁判所の判決を「紙くず」とした中国の主張とは?

   

12日、国際仲裁裁判所は中国とフィリピンの領有権争いについて問われた裁判において、南シナ海の大部分の領有を主張する中国の訴えには法的根拠がないとして、国連海洋法条約に違反し無効とする判断が示されました。

南シナ海問題_仲裁裁判判決_001出典 http://blog.livedoor.jp/zzcj/

中国外務省の幹部は「判断は紙くず」として、裁定を認めないとする意思を表明しています。この記事では南シナ海の問題について詳しく取り上げるとともに中国、フィリピンを含む各国の主張と今後の見通しについて、日本への影響も含めて取り上げます。

 

南シナ海問題とは?

南シナ海は日本の南東、台湾や中国、フィリピンやベトナムなどの国々に囲まれた海域です。古くから海上交通の要所とされ、貨物船やタンカーを含む船舶が多く通ってきました。

多くの小さな小島が浮かぶ南シナ海ですが、第二次世界大戦前から領有権の問題が発生しており、特に1970年ごろから海洋資源の埋蔵が判明して以降、各国が主張を訴え、軍事衝突も起きかねない事態となっています。

90年代以降は東南アジアの経済発展も重なり、エネルギー需要が高まったことも問題に拍車をかけています。特に近年は中国の人工島建設や中国軍艦による他国船舶への妨害行為が目立ち、当事国間において激しい非難の応酬がなされています。

 

中国の主張と周辺国(主にフィリピン)の主張(地図からも説明)

中国の主張と周辺国の主張を大まかにまとめました。各国の領有を主張する領域を地図画像でご覧ください。

南シナ海問題_仲裁裁判判決_002出典 http://blog.goo.ne.jp/kin_chan0701/

 

◇中国の主張

中国の主張としてよく登場するのは「九段線」と呼ばれるものです。

南シナ海全域の領有を主張するもので、第二次世界大戦後に当時の中華民国が地図をもって作成した「十一段線」が元となっています。九断線は歴史的背景に基づき、全ての海域は中国に領有権があることを主張しています。

今回の裁判では九断線の法的根拠は認められないとし、中国が建設した人工島についても、もともと島ではないので排他的経済水域を設定できないとの判断となりました。

 

◇フィリピンを含むその他の国の主張

地図でもわかる通り、各国の主張が複雑に絡み合っていて領有権の争いが複雑化しています。

今回裁判を起こしたフィリピンは南沙諸島を中心とする海域の領有を訴えるとともに、フィリピンの排他的経済水域内における中国の度重なる妨害によって主権が奪われているとし、国際連合条約に違反しているとの主張をしています。今回の裁判ではフィリピンの主張を全面的に認める結果となりました。

各国も国連条約に同調する動きを見せつつ、領有権を主張し解決に取り組んでいくのが望ましい、または過度の開発を控え自制をすべきという考えをとっています。

 

判決後の見通しと日本への影響は?

◇今後の中国とフィリピンの動きは?

南シナ海問題_仲裁裁判判決_003出典 http://motobosa2.club/

仲裁裁判所の判決を受けて、中国は判決を棚上げにすることを前提にフィリピンと協議をしていく考えを明らかにしましたが、フィリピンはこれに応じないとの声明を出しています。

フィリピンは判決を盾にして経済支援や譲歩を引き出したい考えですが、中国は判決に応じる考えを持っておらず議論は平行線をたどりそうです。

日本やアメリカを含めて多くの国が国際法の尊重を支持する中で、今後問題の先送りや、共同開発の進展に互いが落ち着くのか、あるいは軍事的な衝突や挑発行動につながってしまうのか、要注目です。

 

◇判決が与える日本の「沖ノ鳥島」への影響

南シナ海問題_仲裁裁判判決_004出典 http://plaza.rakuten.co.jp/

今回の判決では日本の南にある沖ノ鳥島が取り上げられています。沖ノ鳥島は海面から姿を現している部分がわずか数平方メートルであり、波の浸食を抑えるために消波ブロックの設置などを行ってきました。

これは経済水域と領有権を守るために日本が行ってきた対策です。しかし今回の南シナ海における判決では「自然な状態で人の居住が維持できない」ために南シナ海の島々は島ではなく岩礁との趣旨で判決が出されました。

沖ノ鳥島は気象観測などが行われていることから経済活動が認められており、付近に職員が常駐していることから、国際法上「島」であることが認められていますが、中国は従来から沖ノ鳥島は「岩」であり領有権や経済水域が認められる「島」ではないとの主張をしており、今後沖ノ鳥島周辺への海域進入などけん制行動を図ってくる可能性があります。

 

まとめ

今回の判決では、フィリピンの主張が全面的に認められることとなりましたが、両国の動きを見ていると問題の解決には時間がかかりそうです。

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あくまで国際法で判断がなされたことであるので、中国も判決を認めないことを続けてしまっては、国際的にダメージを受けることは避けられません。

周辺国を含む他の国々が結果を尊重すべきとの意向を粘り強く示していくことが解決を進めていく鍵になるでしょう。

また日本の影響として沖ノ鳥島の問題を取り上げましたが、未然に問題化させないこと、そして何より付近海域の防衛をしっかり行っていくことが、日本の領土を守ることにつながっていくと考えます。

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