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接続水域|領海や排他的経済水域(EEZ)との違いを地図から読み解く

      2016/06/21

6月9日、中国が尖閣諸島の 接続水域 に侵入してきましたね。今回は公船ではなく、海軍艦艇による初めての侵入です。日本もなめられたものです。

ただ、今回の日本の対応はなかなかのもので、何と午前2時に駐日中国大使を外務省に呼びつけ厳重に抗議を行っています。今後も度重なる中国の悪行にめげず、毅然とした態度で対応して頂けることを期待します。

さて、尖閣諸島問題が取りざたされる中で度々耳にするようになった接続水域。この意味をご存知でしょうか。

また、領海や排他的経済水域との違いはご存知でしょうか。今回はそれぞれの意味と3者の違いを地図から読み解いていきたいと思います。

 

接続水域とは

接続水域_002出典 https://ja.wikipedia.org/

領海から外側に12海里の範囲で設定される水域のことを言います。基線(※)から起算すると12海里~24海里の水域ということになります。接続水域では、国家は通関や財政、出入国管理等に関する様々な法令違反についての措置や対処をすることができると国際法で定められています。

歴史としては、 1736年 にイギリスが密輸取り締まりのために関税水域を設定したのが始まりです。他の国々もそれを倣う形で、領海の外側においても自国の権限が適用されるよう法令を制定していくこととなりました。

国際的に最初に制度が確立したのは 1958年 領海条約第24条で、この時は12海里の範囲内でした。その後、各国の自国権限の拡大に伴い、 1982年 国連海洋法条約で12海里~24海里の水域が接続水域として定められることになりました。

※基線とは海外線のことではなく、基本的には 低潮線 のことを意味します。これは、 略最低低潮面 (潮位がこれ以上は低くならないと想定される潮位面)にあるときの水陸の境界のことです。

 

領海とは

基線から12海里(約22.2km)の範囲で国家が設定した水域のことです。簡単に言えば海の領土であり、国家の主権が行使できる水域です。

歴史的に非常に長く論争が続いてきたのが、この領海に関する認識です。海は誰のものでもないという万民共有物の時代から始まり、大航海時代の各国の対立、17世紀には海洋論争と呼ばれる学術的な対立が起こりました。

現代の認識に近づいてきたのは18世紀に入ってからで、自国の主権が及ぶ 狭い領海 と通商の自由が容認される 広い公海 の二元構造が各国に認められる方向となり、これが国際慣習法として確立することになりました。

その後は長期間に渡って領海の範囲を巡って各国の対立があったのですが、 1982年 国連海洋法条約第3条で、基線から12海里までを領海、主張の多かった200海里までを排他的経済水域とすることで対立は決着することとなったのです。

やはり海洋資源や通商での航海を巡る問題は、各国にとって譲れないことが多かったのでしょうね。

 

排他的経済水域(EEZ)とは

排他的経済水域(EEZ:Exclusive Economic Zone)とは、基線から200海里までの範囲で国家が設定した水域のことを指します。ここでは沿岸国が鉱物資源や水産資源の開発などの経済的主権的な権利を有しますが、航行の自由は他国の船にも認められています。

歴史としては比較的浅く、アメリカ合衆国トルーマン大統領が宣言した 1945年 「公海の一定水域における沿岸漁業に関するアメリカ合衆国の政策」が領海外の規定を定めた始まりでした。その後、国家間で最初に同意に至ったのが 1958年 に採択された「漁業及び公海の生物資源の保存に関する条約」です。

そして最終的に、大陸棚の概念、領海の範囲を200海里までにすることを確定させた 1982年 採択の国連海洋法条約をもって、排他的経済水域は各国に受け入れられることとなりました。

 

接続水域、領海、排他的経済水域(EEZ)の違い【地図あり】

接続水域_003

 

接続水域_004出典 https://thepage.jp/

では、この3者の違いは何なのか?簡潔に言ってしまうと下記2点になるかと思います。

 

水域の違い

先述の通り、まずはその定められた水域が違います。まとめるとこんな感じになります。図も合わせて参照すると分かりやすいかと思います。

領海…基線から12海里までの範囲
接続水域…領海の外側で且つ基線から24海里までの範囲
排他的経済水域…接続水域の外側で且つ基線から200海里までの範囲

なぜ水域の範囲が違うのかというと、もちろんその役割を明確に区別するためです。

 

役割の違い

どの水域も沿岸国の権利を行使することが可能ですが、自国に近づくほどその影響力が強くなるところにその違いがあります。

 領海 は自国の領土と同じ扱いですので、その国の法律がそのまま適用できます。他国の船が勝手に侵入したり、漁業をしたりすれば法律に基づいて逮捕する権利があるのです。またそのような場合に、その船に攻撃しても自衛扱いとなります。まぁ日本の場合は、即座に攻撃というのは憲法的に難しいでしょうが。

対して、接続水域と排他的経済水域で同様の事態が生じても国内の法律をそのまま適用することはできません。ただし、 接続水域 では他国の海警・艦船が侵入した場合や、密輸・密猟などの疑いがある場合に、予防的に取り締まることが可能です。該当の船に対して警告や監視をすることができるのです。

 排他的経済水域 では他国の船でも航行は自由なのですが、漁業資源や鉱物資源が脅かされる場合に国内の法律を適用することができます。国の許可なく操業をする場合は取り締まりの対象になるということです。

自国の領土とそれ以外では取り締まり方が大きく違うということ、また自国から外に行くに従って行使できる影響力に差があるということですね。

怖いのは、尖閣諸島に対して中国は徐々に強硬策に出てきていますので、今後領海内に侵入する可能性もゼロではないということです。もめ事が大好きな中国なら十分にあり得るでしょうね。。。

 

まとめ

ここまで、接続水域、領海、排他的経済水域の意味や役割の違いをお伝えしてきました。

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接続水域は中間地点で、これまで何となくの理解だった方も多いかと思います。領海付近の防衛と思ってもらえれば理解もたやすいかと思います。

本当に中国には自粛を促したいところですが、残念ながら今後エスカレートするのは確実でしょう。そうなったときに日本政府がどう対応するのかが注目です。

艦船の領海侵犯となれば、海上保安庁だけでなく自衛隊が出動することになるでしょう。最悪の事態になるのだけは避けて欲しいものですね。

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