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オバマ大統領の広島訪問|歴史的背景とアメリカの思惑まとめ

      2016/12/07

オバマ大統領が広島を訪問する歴史的な日が近づいてきました。現職のアメリカ大統領が被爆地広島を訪れるのは史上初。世界で唯一の核使用国であるアメリカとして、広島へどのようなメッセージを発信するのか国内外問わず世界中が注目しています。

オバマ大統領広島訪問_001出典 http://news-de-smile.com/

今回は、広島訪問に至るまでの経緯を時系列で追い、まとめてみました。さらには、ここからアメリカの思惑について考察してみます。

 

オバマ大統領の広島訪問|歴史的背景とアメリカの思惑まとめ

広島訪問に至るまでの歴史と背景

オバマ大統領広島訪問_004出典 https://ja.wikipedia.org/

オバマ大統領は広島訪問を就任当初から希望していたと言われています。

オバマ大統領が唱える 核なき世界 への想いは強く、それは就任直後の プラハ演説 でも明らかでしょう。

取り分け、被爆地広島を訪れることは核廃絶へのメッセージを発信するうえでこれ以上ない施策と考えられていました。

では、なぜ広島訪問に至るまで長い時間がかかったのか。その理由は米国内に長年ある国内世論の反発にありました。

 

◇米国内世論の根強い反発

アメリカ国内には原爆投下を正当化する根強い世論があります。

原爆投下は戦争を早く終わらせる手段として有効だった、むしろ戦争の早期終結が多くの命を救ったという見方が多いのです。

2015年のピュー・リサーチ・センター世論調査によると、原爆投下は正当であると考えている人は 56% 、半数以上の人が正しかったと見ているのです。

そのような背景から大統領が広島に訪問することは、原爆投下を謝罪する行為、間違っていたと認める行為に取られる恐れがあるため、訪問が実現することはありませんでした。

しかし、戦後70年以上も世論の態勢が変わることはありませんでしたが、転機が訪れます。

 

◇ルース元米駐日大使、ケネディ米駐日大使の広島訪問

2010年8月6日に、当時のジョン・ルース米駐日大使がアメリカ政府代表として初めて広島平和記念式典に出席しました。続くケネディ米駐日大使は式典に出席し、さらに広島平和記念資料館を訪れ、原爆慰霊碑に献花しました。これも米国大使としては初めてで、歴史的な出来事でした。

このように長年アメリカが向き合うことのなかった、被爆地への取り組みが徐々に進むようになってきたのです。

 

◇ケリー米国務長官の広島訪問

オバマ大統領広島訪問_003出典 http://bylines.news.yahoo.co.jp/

まだ記憶に新しい2016年4月11日には、ジョン・ケリー米国務長官がアメリカの現職閣僚として初めて広島平和記念公園を訪れました。さらに、広島平和記念資料館を訪れた後、慰霊碑に献花をしました。

現職閣僚の広島訪問で、アメリカが国家として被爆地へ向き合う姿勢が鮮明に打ち出された出来事と言えるでしょう。

 

◇米国内世論の見極め

広島・長崎に対して歴史的な施策を打ち出したのは、最終的にオバマ大統領が広島訪問が可能であるか世論を見極める意味合いが強くありました。

つまり、米政府代表として広島を訪問したことが米国民にどう映るか、世論の激しい反発はないか、閣僚内の意見をまとめられるか見極めたうえで大統領の訪問を実現させたかったのでしょう。

結果、国内世論として大きな反発はなく広島訪問を容認する空気もあり、訪問の機運は熟したとホワイトハウスは判断しました。

最終的に、広島訪問は謝罪ではなく第二次世界大戦で亡くなった全ての犠牲者への追悼という意味合いで、大統領訪問が実現したのです。

戦後70年以上もたって国内慎重論が根強くあってのことですから、ここまで大きな布石がいくつもあったことは納得できますよね。

 

アメリカの思惑

オバマ大統領広島訪問_002出典 http://www.afpbb.com/

オバマ大統領がここまでして、広島を訪問したい真の理由は何なのか?アメリカの思惑も交えてお伝えしていきます

 

◇オバマ大統領の強い意志

まず第一に挙げられるのが大統領自身の 核なき世界 への強い意志です。

それが示されたのが就任1年目の プラハ演説 です。この演説で、オバマ大統領は核兵器を使用したことがある唯一の国として行動する道義的責任があることを表明しました。そして、アメリカが先頭に立ち、核兵器のない世界の平和と安全を追求しなければならないと明言しました。

核なき世界を標榜するオバマ大統領にとって、広島訪問をその象徴的な出来事の最たるものにしたいのだろうと考えられます。

 

◇政治的遺産の構築

アメリカ政府は今年2016年の初めから、オバマ大統領の広島訪問を検討していたと言われています。

大統領任期で最後の年に、歴史的功績を残しておきたいという強い思いが米国政府内にあったのでしょう。長い期間にわたり布石を打ち、米国内世論の軟化、閣僚内慎重派の懐柔を図ってきたのは、このためです。

大統領の広島訪問が成し遂げられれば、世界中に核なき世界をアピールするこれ以上ない機会となるのは間違いないでしょう。

はっきり言って、普通に教科書に載るレベルです。

アメリカの思惑がどうあれ、広島や長崎に起こったことが世界に発信されるのは、日本にとっても非常に意義のあることでしょう。

 

まとめ

ここまで、オバマ大統領の広島訪問の背景とアメリカの思惑について考察してみました。

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今回の訪問が、アメリカ国民に原爆投下を再考させるきっかけになればよいと個人的には考えてしまいます。単純に原爆を落としたから加害者、落とされたから被害者という単純な問題でないのは理解していますが、少なくとも原爆で命を失った人、今も被爆で苦しんでいる人は大勢おられます。長らく様々な意見に翻弄されて苦しんできた人たちが、今回の訪問で少しでも救われたらと思います。

オバマ大統領が掲げる核なき世界が実現され明るい未来になるきっかけになれば、今回の訪問は本当に意味あるものになるでしょう。

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