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トリクルダウン理論|アベノミクスとの関係性や効果を考察

      2016/06/07

伊勢志摩サミットが閉幕し、強引に悲観的な世界経済評価をしたことで批判を浴びている安倍首相ですが、アベノミクスと言われる経済政策そのものも批判される傾向が強くなってきました。

その批判とセットで語られることが多いのがトリクルダウンと呼ばれる理論です。

トリクルダウン理論_アベノミクス効果_001出典 http://blog.goo.ne.jp/zabuyamato/

今回はこのトリクルダウンとアベノミクスの関連性、またその意味や効果について考察してみます。

 

トリクルダウン理論って?

トリクルダウン(trickle down)とは「したたり落ちる」を意味し、「富裕層が富むことで、貧困層にも自然に富がしたたり落ちる」する経済理論のことです。シャンパンタワーにも例えられる理論ですね。

具体的には、「大企業や富裕層を優遇し支援政策を行うことで経済活動が活性化され、結果として富が貧困層に向かって徐々に滴り落ちる。よって、国民全体に富が行き渡る」とする仮説です。

 

◇レーガノミクス

トリクルダウン理論_アベノミクス効果_002出典 https://www.historychannel.co.jp/

有名な実行者は、アメリカ合衆国第40代大統領 ロナルド・ウィルソン・レーガン です。彼はこのトリクルダウン理論を忠実に実行し、景気や失業率の改善に一定の成果を収めたとも言われています。有名なレーガノミクスですね。

ただ、財政赤字が爆発的に膨張しクリントン政権まで解消されなかったと言う問題点も指摘されています。また、景気回復の真の要因がこのトリクルダウン理論によるものなのかについては結論が出ていないのが実情です。

 

◇トリクルダウンの効果

先進国や一定の人口を超える国ではこの理論は成立しないというのが、現在の主要な見解です。

先進諸国では一般市民の消費が経済に大きく影響を及ぼすため、この理論は有効ではないとされています。一部の富裕層よりも分厚い中間層が消費するほうが、消費規模が拡大し経済への貢献度は強いとする意見も根強くあり、トリクルダウンには否定的な見解が多い傾向にあるようです。

この考え方は裏づけや根拠に乏しく、結局は富裕層の既得権益を守るための経済理論ということですね。

ただ、発展途上国のように一般市民の消費が国内経済へ大きく貢献しない場合は今でも一定の効果があるとされています。

 

トリクルダウンとアベノミクス

さて、このトリクルダウンがアベノミクスにどのように用いられてきたのか、その関連性と効果を考えてみます。

 

◇関連性

アベノミクスでは、法人税減税・設備投資減税に積極的に取り組んでいます。これは企業の余剰を生み、それが社員の賃金にまわされることを期待してのものです。

また、富裕層や大企業を優遇する税制改正や規制緩和を次々に打ち出し、消費拡大と景気回復につなげる思惑も見え隠れします。

これらは全て、まずは富裕層を富ませて景気回復を狙い消費を拡大させ、その後中間層貧困層にも影響を波及させようとするトリクルダウン理論そのものです。

ちなみに、安倍首相は「トリクルダウンを目指しているわけではない」と国会で答弁しています。

 

 

しかし、その後も経済政策に変更は見られません。この答弁も、「OECDによってトリクルダウン理論が否定されたためだろう」と言われています。

何と申しましょうか残念な話ですね。

 

◇効果

円安、株価の上昇では一定の効果がありました。ただ、これは一般市民が恩恵に預かったかというと、必ずしもそうではありませんよね。

最も分かりやすい実質GDPの伸び率でみると厳しいと言わざるを得ません。

安倍政権が誕生してから3年間(2012年10月~2015年9月)の伸び率は 2.4% でした。これは前民主党政権時代の3年間(2009年7月~2015年12月)での実質GDPの伸び率 5.7% の半分以下の数字です。さんざん批判されてきた民主党政権をはるかに劣る指標ですから、アベノミクスは失敗していると言われても反論できないでしょう。

しかし、まだ効果が出ていない、出るまで時間がかかる、多くの人が景気回復を実感できるのはまだ先の話だとする意見も少なくありません。

経済というのは生き物ですから結論を出すのはまだ早いのかもしれませんが、果たして景気回復が早いか安倍政権が終わるのが早いか見守りたいと思います。

ただ、富が滴り落ちてくるなんてことはあり得ないでしょうね。

 

まとめ

トリクルダウン理論とアベノミクスの関連性を考察してみました。

個人的な感想を言わせてもらえれば、やはりトリクルダウンは一昔前の経済理論なのかなという印象です。ここまで市場経済が複雑な現代においては当てはまらないような気がしています。むしろ富は下から上に吸い上げられているんじゃないかと。

あと、金持ちはけっこうケチなイメージもあります。ケチるところは徹底的にケチる。それは税金の面でも同じで、パナマ文書の一件でもよく分かりますよね。

大企業や富裕層に頼るのはやめてもらって、消費力に一定の期待ができる中間層・低所得者層に沿った経済政策も視野に入れて頂きたいものです。

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