超大国アメリカには、経済の象徴【ウォールストリート街】や世界一華やかな交差点とも称される【タイムズスクエア】など、大勢の人々でにぎわう場所が数多くあります。
しかし、その一方で時代と共に廃れ忘れ去られ、ゴーストタウンと化した町も数多く存在するのです。鉱業の衰退や治安悪化による集団移住、自然災害や環境汚染など、住環境の変化で生活できないところとなった街から人々が続々といなくなり、いつしか人がいない町となってしまったのです。
この記事ではそんなゴーストタウンの中でも、ルート66沿いにある人気の観光地となっている町をご紹介します。ご覧になれば、アメリカの一般的なイメージとかけ離れた光景に、何となく物悲しいセンチメンタルな気分になることでしょう。廃墟ものに興味のある人や、少しコアな観光をしてみたい人は参考にしてみてください。
ゴーストタウンとは?
ゴーストタウンは別名「死の町」とも呼ばれ、何かしらの理由で住民が移住して人が住まない町となってしまった場所のことを言います。そこには、人々が住んでいた痕跡を示す住居や店などが残っており、かつての繁栄を感じ取ることができるようになっています。
サイレントヒルのモデルとなったゴーストタウン
ゲームや映画でもおなじみの「サイレントヒル」のモデルになった町は、現在ゴーストタウンとして非常に有名な場所となっています。
その町の名は「セントラリア」で、19世紀後半から20世紀半ばまで石炭鉱業で繁栄した町でした。しかし、1962年に起きた坑内火災のため住民の生活は困難な状況となり、アメリカ政府より退去勧告が出されることになったのです。住民が退去した町はゴーストタウンとなりましたが、原因となった火災は現在も続いており、鎮火の見込みは立っていないようです。
郵便番号まで消去された「セントラリア」は、ゴーストタウンの代表例とも言える町でしょう。
ルート66沿いのゴーストタウン
現代アメリカ文化発祥の礎とも言われている「ルート66」は、イリノイ州シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまでを結ぶ全長3,755kmの旧アメリカ国道のことです。日本列島の全長より長い距離を一本道で結んでしまうあたり、スケールの大きさを思い知らされますね。
アメリカ合衆国のど真ん中を貫く「ルート66」は物資や人々の移動を活性化させ、経済や産業の発展に計り知れない貢献をしました。映画や小説、音楽などありとあらゆるジャンルで題材とされ人々に愛され続けたルート66は、今もなお語り継がれています。
ルート66の衰退
そんなアメリカにとってなくてはならなかったルート66も、州間高速道路「インターステート・ハイウェイ」の登場により次第に廃れ1985年にはついに廃線になってしまいました。
かつては賑わいを見せていたルート66沿いの町も次第に活気がなくなり、人々も一人二人と離れていくことになりました。その結果ルート66沿いには、住民たちが姿を消したゴーストタウンが幾つも見られるようになってしまったのです。
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【クエルボ】ニューメキシコ州

出典 https://route66japan.wordpress.com/
赤土のゴーストタウンとして知られているニューメキシコ州の「クエルボ」です。町としてそこまで有名ではありませんが、ルート66の専門雑誌で特集も組まれており、コアなファンから人気を集めているようです。古き良きアメリカの姿が見れて、日本人でもどこか懐かしい気持ちにさせられる場所と言えるかもしれません。
「クエルボ」は教会や住居などが良い状態で残っており、美しいゴーストタウンの一つです。かつての人々の暮らしが垣間見れるおすすめの場所と言えるでしょう。
【アフトン】オクラホマ州

出典 https://route66japan.wordpress.com/
マイアミから車で30分ほどのところにある、オクラホマ州東部の町アフトンです。多くの建物がきれいな状態で残っていますが、町中ほとんどがゴーストタウンとなってしまっています。
現在は産業のようなものは皆無で人はほぼいないようです。当時の面影がリアルに感じられるゴーストタウンとして、おすすめできます。
【ゴーストタウン・トレイル】ミズーリ州

出典 https://route66japan.wordpress.com/
ミズーリ州のカーセージからスプリングフィールドまでの旧ルート66は、静かなゴーストタウンが続いている見どころのトレイルとなっています。
ルート66の看板があちこちに建っていて、当時の面影を感じさせてくれます。ところどころにある現役のガスステーションも、かつての雰囲気を残しつつ営業していたり「ルート66」ファンにはたまらない場所がたくさんあります。
ルート66の魅力を味わいつつゴーストタウンの雰囲気も楽しめるおすすめのドライブコースです。
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まとめと観光の注意点
ここまで、アメリカの【ルート66】沿いのゴーストタウンを紹介してきました。
普通にイメージに描いているアメリカとは違った風景にちょっと驚かれた人もいるかもしれませんね。有名なルート66沿いの往年の姿を見れるゴーストタウンの魅力も少しは伝わったでしょうか。
人々がかつて暮らしていた生活の痕跡をまざまざと感じられるゴーストタウン巡りも、観光ルートに取り入れてみてはいかがでしょうか。いつものアメリカ旅行とは違った感動が味わえるかもしれませんよ。
ただし、ゴーストタウンは治安が悪い地域もありますので、必ず真っ昼間に訪れてください。そして、横道や路地裏には入らないようにしましょう。車からも極力降りないようにして、降りたとしてもいつでも発車できるように車のそばにいてください。
最善の注意を払っていれば、ゴーストタウン観光もしっかり楽しむことができるでしょう。