12月に入ると街中が華やかなイルミネーションに包まれてクリスマスムード一色になります。街に出ると楽しそうな雰囲気につられて、こちらもついウキウキしてしまいますよね。
そんな楽しいクリスマスですが、その意味や由来はご存知でしょうか。聞かれても答えられない人が意外に多く、お子さんに説明するときにあわててスマホで調べる人も少なくありません。毎年のイベントですので、できれば教養の一つとしてすぐに答えられるようにしておきたいものです。
この記事では、クリスマス・サンタクロースにどのような意味があるのか、その由来なども交えてご紹介していきます。
そもそもクリスマスとはどんな意味?
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クリスマスとはどんな意味なのでしょうか。語源から考えてみましょう。
クリスマスは、英語で「Christmas」となります。これは「キリスト(Christ)のミサ(mass)」を表しており、合わせて「Christmas」となります。また、フランス語では「Noel」、イタリア語では「Natale」となっており、これらはいずれもラテン語では「誕生」「生誕」を意味しています。
つまり、クリスマスはイエス・キリストが生まれたことをお祝いするお祭りだということです。
一般的にクリスマスはキリストの誕生日をお祝いする日となっていますが、正確にはキリストの「生誕」または「降誕」をお祝いする祭日です。この世にキリストが生まれた(降り立った)ことそのものを祝っているのであり、誕生日として祝っているわけではないということも覚えておくと良いでしょう。
クリスマスの由来
キリストの生誕祭としてのお祝いが正式に決定したのは、およそ1700年前にまでさかのぼります。
4世紀ごろ、古代ローマ帝国で崇拝されていたミトラ教の冬至の祭りを転用して開始されたと言われています。具体的には、ローマ帝国がキリスト教導入の際に他宗教との融和を図るため325年の教会会議で、ミトラ教の冬至の祭りとキリストの生誕祭を融合させたのが、始まりとされています。
キリスト教が世界中に広まり信仰されていくのと同時に、クリスマスも習慣として広く浸透したのでしょう。
日本のクリスマスの由来
日本では、1552年にイエズス会宣教師のコスメ・デ・トーレスが日本人信徒を招いて降誕際のミサを執り行ったのが、日本最初のクリスマスとされています。ただ、その後の日本では江戸幕府による禁教令が発布されたため200年以上、クリスマスが広まることはありませんでした。
再び市民に浸透しだしたのは、1900年に明治屋が銀座に出店しクリスマス商戦が活発に行われたのがきっかけでした。更にもう1つ大きな契機になったのは、大正天皇崩御に伴い先帝祭の1926年12月25日が祝日となったことが挙げられます。12月25日が祝日となったことで、庶民の間にクリスマスが広く浸透したのです。
サンタクロースの由来
サンタクロースの由来は、4世紀の小アジア(現在のトルコ)に実在したと言われる聖ニコラオスという司祭の伝説にあります。
ニコラウスは、貧しさのため娘3人を身売りしなければならなかった家族を救うため真夜中に金貨を窓から投げ入れたところ、その金貨が暖炉にぶら下げられていて靴下に入ったそうです。この金貨のおかげで身売りをしなくて済んだというのがこのお話です。
この伝承をきっかけに夜中に家を訪れて靴下にプレゼントを入れるという、今日のサンタクロースの形が出来上がったのです。
なぜ発音が「サンタクロース」になったのかですが、ニコラオスはオランダ語で「シンタクラース」と発音します。オランダでは14世紀頃から聖ニコラオスの命日を「シンタクラース祭」として祝う習慣がありました。そして、17世紀にアメリカに植民したオランダ人がこの伝承の人物を「サンタクロース」として伝えたそうです。これが「サンタクロース」の語源と言われています。
まとめ
ここまで、クリスマスとサンタクロースの意味や由来についてご紹介してきました。
クリスマスが実はキリストの誕生日ではないのは意外だったのではないでしょうか。また、日にちがキリスト教とは無関係の宗教の儀式から来ているのも少し驚きだったかもしれません。
日本では宗教色ゼロですので、クリスマスを楽しむ意味ではあまり関係なさそうですが一般教養として知っておくと良いでしょう。急にお子さんなどから聞かれたときに、スラスラと答えられると頼もしく見えますしね。
いずれにしてもクリスマスがおめでたいイベントであることには変わりありませんので、日本は日本の楽しみ方で盛り上がりましょう。