5月の終わりごろから6月上旬にかけて、命しらずのバイク乗り達が集うところ、それがマン島TTレースです。
「世界で最も危険なレース」 、このレースの名前を知っている人なら一度はこの言葉を聞いたことがあると思います。
その過激なレースは、危険ではありつつも一度は見てみたいと思う人も多いことでしょう。あまりの速さに、直線では音さえもついていくのがやっとと言われる速さ。
そんな爽快な走りとスリリングなレースを、人生で一度は見てみたいと思いませんか?
出典 http://www.asphaltandrubber.com/
今回はこのマン島TTレースの見どころなどをご紹介していきますね。
マン島TTレース|2017年の日程と見どころ
そもそもマン島TTレースって?
◇開催地の「マン島」ってどんなところ?
イギリスにあります。形式上は王族直属の島ですが、自治がすでに行われているため一つの国家として成立しています。
◇気候
・緯度が非常に高いのでかなり寒く、さらに日没が遅いです。
・レースが行われる時刻は夜になることもありますが、季節が6月なのでそこまで寒くはありません。ただ、日本との気温差は考慮しておく方が賢明でしょう。
・大会が行われる5月後半は日没が22時前後になるので、暗くてレースが見えないということはありません。
◇日程・費用
・今年2017年は5月27日(土)~6月9日(金)にかけて行われます。
・成田空港から行くと16時間~まる1日ほど、料金は往復で70000~円ほどかかります。
・レース期間の滞在やその他の経費も考えると、これ以上の出費が予想されます。準備はしっかりとしていきましょう。
超過激なマン島TTレース【動画あり】
ツーリストトリフィー(Tourist Trophy)の略で、オートバイの競技です。
競技はいたってふつうですが、走るコースはなんと公道、しかもこのレースはこの道路を全域閉鎖した上で行われます。つまり、レースの道のりはほぼ島一周に等しい、ということです。
その距離は一周でなんと60kmほどにもなり、200近いカーブや400mほどの高低差などレースの道のりは過酷を極めます。
コースは公道を使うためコースに緩衝材などはほとんど設置されておらず、少しでもコースアウトすれば命の危険がある、そんな死と隣り合わせのコースなのです。レーサーたちは、レース中ずっとそんな恐怖と戦わねばならないのです。
そんなコースを最高時速320kmで突っ切っていくのですから、本当にすごいとしかいいようがないですね。
この過酷な道をノンストップで突き進んでいくことこそが、このレースの一番の見どころというわけです。

出典 http://ameblo.jp/enzo-900ss/
この写真を見ていただければ分かると思いますが、もはや車体が浮いています。
あまりの高低差と驚異的なスピードのせいで、レース中にはこのようなジャンプが何回か見られます。見ている分にはかっこいいと感じるばかりですが、レーサーにとっては決して失敗できない山場です。
実際に2012年度の大会の様子がこんな感じになります。映像で見るだけでも迫力が伝わってきます。普通の市街地をこの超スピードで。正直すごすぎます。。。
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日本人の活躍はあったの?
こんな危険なレース、日本人が出場したことはあるのでしょうか?
調べてみたところ、日本人の中に唯一このマン島TTレースで優勝した人物がいました。
「伊藤光夫」さんという方です。

出典 http://www1.suzuki.co.jp/motor/history/vol3.html
この当時、とある車会社で性能検査という仕事をしていたそうです。つまり完成した車両に実際に乗って確認する仕事ですね。
当時は「レーサー」と呼ばれるような人たちはおらず、実際に乗って確認しているうちに、だんだんと競技に興味を持っただけだったそうです。
優勝したのはなんと1963年と、もはや半世紀も前のことです。今とはルールも少し違っていたらしいですね。
この方は当時のTTレースの50ccクラスで一位を獲得した人です。当時の50ccクラスはだいたい最高速140km/hくらいだと言われています。時速140kmだから甘い、ということは決してありません。当時はさらに起伏が激しく、地形の高低差は約600mほどもあったと言われています。
当時ここまで起伏が激しく、さらに200近いカーブまで存在するようなレースはここ以外にはありませんでした。
さらに当時は、このイベントは「世界GP」という公式大会に含まれていて、まさに「レーシングの頂点」とまで考えられていたそうです。
これらのこともあって、当時は「この大会で勝ったものは間違いなく世界一」とまで称されていたそうです。
そう、この方は、その当時の大会で世界一を獲得した方なのです!そう考えるとすごいですね!
実は、2010年度の大会にもいらっしゃっていたようですが、練習中に転倒してしまい、半世紀ぶりの参戦とはなりませんでした。
参戦できなかったのは残念ですが、いまなお現役でバイクに乗っていらっしゃると考えただけでも、本当に奇跡ですね。
レース以外の見どころは?
大会というだけあって、パレードなどのイベントが充実しています。予選では1日おきに開かれるくらいです。
ほとんどのイベントはレースの合間をぬって行われるので、時間はあまり気にしなくていいと思います。
そしてレース以外にも一度は目を向けてほしいのが、「機関車トーマス」のモチーフにもなったとされる蒸気機関車です。

出典 http://okuruma.exblog.jp/1852237
いまではほとんど見られない「ほぼ木製」というアンティーク仕様で、内部の客席まで昔を思い出させるほどだそうです。
客席からは海を見たりすることもできて、景色も綺麗です。終点のポート・エリンというところには鉄道の博物館が準備してあり、往復便が来るまでの間に中を見物することができます。
実はマン島は鉄道の名所としても知られているのです。レースの行われない日曜日などに一度乗ってみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
このスリリングなレースゲームに、少しでも興味を持っていただけましたか?
マン島TTレース2016|世界一危険なレースは死亡事故数もハンパない
このレースに出る選手たちは皆、死ぬ覚悟を持って臨むとも言われています。そのくらい強い覚悟ができている、そういう真のレーサーたちがこの島で激闘を繰り広げるのです。
そんな真のレーサーたちの走りを目にすれば、人生観が変わるくらいの衝撃を受けるかも知れませんよ。
ただしレース会場では、くれぐれも事故には気をつけてくださいね。