北朝鮮が2016年6月22日午前6時に元山付近からミサイル1発を発射しましたが、失敗に終わりました。韓国の複数メディアによると中距離弾道ミサイル【ムスダン】とみられています。
これがムスダンだとすると5回連続の失敗となりますね。
出典 http://bylines.news.yahoo.co.jp/
度々報道されているムスダンですが、その威力や射程距離などはご存知でしょうか。日本への直接の脅威はあるのでしょうか。今回はこれらの情報を分かりやすくお伝えしていきます。
中距離弾道ミサイル【ムスダン】とは?
朝鮮民主主義人民共和国にて開発された中距離弾道ミサイル(IRBM:intermediate-range ballistic missile)のことです。
意外なことに、ムスダンはアメリカ合衆国がつけたコードネームであって、北朝鮮での呼び名は不明のままです。最初に存在が確認されたのは2007年4月25日の朝鮮人民軍創設75周年記念パレードで、アメリカの偵察衛星がその姿を捉えました。
全長12.5m、直径1.5m、重量19t。移動式であることに特徴があり、専用の移動式発射台に搭載されたムスダンが世界中のメディアに公開されています。そのため、即応性が高く事前の破壊は非常に難しいと言われています。
開発経緯
1992年
原型となっているロシアのR-27潜水艦発射弾道ミサイルが、技術者と技術一式が持ち込まれる。
2003年
ムスダンのプロトタイプが試験配備。
2005年
イランに18,19発のムスダンを輸出。
2006年
イランにて同型ミサイルの発射実験実施。
2016年
4月15日に初の発射実験を実施するも失敗。6月22日現在で5回連続の失敗。
ずっと失敗しているためそこまで不安はないような気もしますが、発射自体が成功してないのならどこに落ちてくるか制御もできてないんじゃないかとも考えられますよね。太平洋に落とすつもりが、日本本土に落ちちゃったとか。かなり不安です。
ムスダンの射程距離
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/
推定射程距離は、3,200km~4,000kmです。画像の通り、日本本土は全域が射程範囲に収まっており、それどころか米軍のグアム基地までもターゲットにできるのです。
発射の兆候がある度に、破壊措置命令が発令され迎撃体制の準備や情報収集など、官邸・米軍ともに慌ただしくなるのも納得ですよね。
ムスダンの威力
ムスダンの威力ですが、これはそのものの威力と言うよりも核弾頭が搭載可能であることを考えれば分かりやすいかと思います。
現在の北朝鮮は、既に強化原子爆弾を搭載できる技術レベルにあるとも言われています。これが事実であるとすると、その威力は広島・長崎に投下された原子爆弾の数倍に匹敵します。都市一つがほぼ廃虚になるレベルの威力です。
当然、日本政府も万全の迎撃態勢で迎え撃つわけですが、迎撃ポイントも重要になってきます。イージス艦のSM-3で宇宙空間にて撃ち落とせればベストなのですが、そうでない場合はPAC3で撃ち落とすことになります。これはムスダンが大気圏に突入後、地上付近での迎撃になりますので、撃ち落とせた場合でも放射能の影響は避けられないでしょう。
さらに、搭載できる弾頭は核・生物・化学兵器の選択が可能で、いずれにしても日本に落下した場合の被害は甚大であることは言うまでもありません。
まとめ
ここまで、ムスダンの射程距離や威力についてお伝えしてきました。
対ムスダン破壊措置命令でイージス艦展開|過去の実績とその意味を考察
ムスダンの恐ろしさが少しは伝わったでしょうか。常に不穏な動きを見せ、国際社会を揺るがそうとする北朝鮮。発射実験が成功しようが失敗しようが、日本としては常に万全の態勢で迎え撃つほかありません。
実際に核弾頭を搭載して日本に打つこむことは流石にないでしょうが、命中精度が低すぎて誤って本土に落下とかはご勘弁頂きたいものです。なので、精度だけはしっかり上げておいてほしいものです。
開発をあきらめてくれるのが一番なんですけどね。