毎年9月に秋田県仙北市で開かれている角館のお祭りをご存知でしょうか。山車を激しくぶつけ合うことで有名な迫力満点のお祭りです。一方で神を待ち、いただくという素朴な信仰が反映された日本古来のお祭りの雰囲気が味わえるお祭りでもあります。

出典 http://www.city.semboku.akita.jp/
この記事では、2016年度の角館のお祭りについて日程や見どころ、またその歴史なども合わせてご紹介し魅力をお伝えしていきます。
角館のお祭りとは?
このお祭りは、1694年の文献から記録が残っている非常に歴史あるお祭りで、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。庶民の神を待つ素朴な祈りの込められた、日本の伝統的なお祭りのスタイルです。最も有名なのは山車同士が激しくぶつかり合う「山ぶつけ」で、観光客にも人気の見せ場と言えるでしょう。
また、お祭りに欠かせないお囃子もたくさんの種類があり、観光客を楽しませてくれます。ただ、激しいお祭りゆえに死亡事故も発生していますので、見物に行かれる人は注意が必要でしょう。
◇2016年の日程
角館のお祭りは毎年同じ日程で行われます。2016年も9月7日(水)~9日(金)の3日間に分けて行われます。神明社の宵祭りと本祭り、薬師堂の宵祭りと本祭りが3日間かけて楽しめます。
◇場所(可能ならアクセスも)(大見出しでも可)
秋田県仙北市の角館町内で開催されます。最寄駅は角館駅で、新幹線も発着する駅ですので、観光客にはありがたいですね。
角館のお祭りの歴史や由来
出典 http://www.nippon-matsuri.net/
このお祭りは、文献に最初に登場したのが1694年(元禄7年)と古く、今から300年以上前の話です。『佐竹北家日記』と言う書物に残されており、佐竹北家の城下町として栄えていた旧角館町で催されていたお祭りのようです。
そして、明治初期に発布された「神仏分離令」などの影響を受けて現在の形に変遷していったと考えられています。角館のお祭りは、城下町の中でも町人たちが住む町が初期から中心となって行われており、庶民の守り育てた伝統を受け継いだお祭りと言えるでしょう。
祭りを盛り上げるお囃子
曳山を運行中は、お囃子が途絶えることなく鳴り続けています。お囃子が鳴っていない曳山は死曳山と呼ばれ、曳山として機能しないことになります。お囃子にはそれくらい重要な意味があります。お囃子の演奏を聴きながら、勇壮な曳山を見ると気分も一層高まるでしょう。
同じ角館町では桜の時期にお囃子と手踊りが見られ、こちらもとても地元の人たちや観光客に好評のようです。
最大の見どころ【曳山ぶつけ】
やはり、最大の見どころは「曳山ぶつけ」でしょう。ここでの「山」は「山車(だし)」のことを意味しています。
祭りの間は「曳山」が町の周囲を参拝などのために練り歩きますが、その時「曳山」が道端で鉢合わせになると、どちらを優先するかどちらが道を譲るかで、まず交渉が始まります。この交渉が決裂した場合に「曳山ぶつけ」で「曳山」をぶつけ合って決着をつけるのです。なので、いつ始まるのかは全く分かりません。
この勝負は力と力がぶつかり合う消耗戦で、力が続く限り押し合います。決着が明け方になってしまうこともよくあるようです。これが本番の「曳山ぶつけ」です。
一方で、観光客用の「観光山ぶつけ」というものもあり、これはぶつかる時間が決まっています。確実に「曳山ぶつけ」が見たいのであれば、こちらがおすすめです。こちらもかなり迫力がありますし、一緒に踊りなどもみられるので楽しく見物できるでしょう。
まとめ
ここまで、角館のお祭りをご紹介してきました。
迫力ある山車のぶつかり合いに若者たちの気迫が感じられたことと思います。また、庶民から脈々と受け継がれた日本の伝統を重視したお祭りだということもお分かりいただけたかと思います。
日本の昔ながらの良き祭りを見たい人は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。