火の山阿蘇山に代表されるように、火の国として知られる熊本県。実は全国有数の水の豊富な地域だってご存知でしたか?

出典 https://ja.wikipedia.org/
今回は従来のイメージを覆す水の国としての熊本を、知られざる水の名所などを交えながらご紹介していきます。
熊本県ってどんなところ?
熊本県は九州の中央に位置する県で、西に有明海を臨み東に阿蘇山を構える自然に恵まれた地域です。
最近では、もっとも有名なのは クマモン になってしまいましたが、古くから文献が残っている歴史的にも価値のある都市として知られています。
まずは、有名な火の国としての熊本県をご紹介しましょう。
火の国熊本の由来
そもそも、なぜ熊本は火の国として認知されているのか?由来は種々あるのですが、大きくは下記2つに集約されます。
(1) 歴代の国名
紀元3世紀頃に第10代崇神天皇が夕焼け空に火の燃え上がるのをみて、 火の下る国・火の国 と命名したのが始まりと言われています。その後、国名は変遷を続け
【火の国 ⇒ 肥の国 ⇒ 肥後国(肥前と肥後) ⇒ 隈本】
から加藤清正の時代16世紀頃に現在の熊本となりました。古来から呼ばれ続けている 火の国 が現在もゆかりとして残っているという説です。
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(2) 自然物の名称や地名
もう一つは、熊本県に点在する自然の造形物に由来するという説です。代表的なのが、 火の山 とも呼ばれる阿蘇山ですね。また、八代海の不知火や氷川(火川)町なども理由の一つに挙げられています。
一般的によく知られている説もありますので、火の国の由来についてはさほど驚きはなかったかも知れませんね。続いてはあまり知られていない水の国としての熊本をご紹介していきます。
水の国熊本の名所や見どころ
熊本には水が豊富にあり、熊本市民70万人の水は何と 100%地下水 からの供給という文字通り水が有り余っている地域なのです。これは世界的に見てもかなり稀な都市です。
出典 http://mizukuni.pref.kumamoto.jp/
なぜ地下水が豊富なのか?
日本の地下水供給率は全国平均で20%程度。それを考えるといかに熊本が地下水を蓄えられているかがお分かりいただけるかと思います。なぜこんなにも豊富にあるのでしょうか。
理由としては主に2つあります。
(1) 地形
周辺地域の河川の発達が悪く、雨水を蓄えやすい台地状の地形が原因の1つとされています。台地に貯まった水は地下へしみ出し、そして地下には火山灰や溶岩などの地下水を貯蔵するのに適した土壌があります。これにより、大量の地下水が蓄えられているのです。
(2) 降水量
2つ目に全国有数の降水量の多さが挙げられます。全国の年間平均は約1700mmですが、阿蘇山上部は約 3200mm 、阿蘇谷は約 2800mm と豊富な降水量が地下水の源になっているのです。
豊富な降水量とそれを蓄える地形や土壌が、地下水都市としての熊本を作り上げているのでしょう。
そういうわけですので、もちろん熊本には水にまつわる名所がたくさんあります。ブラタモリでも紹介されたうち、そのいくつかをご紹介しますね。
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水前寺成趣園(すいぜんじじょうじゅえん)
こちらは有名な観光名所で、熊本藩細川氏が築いた大名庭園です。中心部にある池は阿蘇伏流水が湧出して作られたものです。水の国にふさわしい庭園と言えるでしょう。
景観も素晴らしい水前寺成趣園ですが、年々入場者数が減少してしまっています。。。水の国に興味を持たれたらこちらも是非訪ねてみてくださいね。
鼻ぐり井手
出典 http://eco-and-health.at.webry.info/
これは、加藤清正が作らせた特殊な構造の用水路のことです。彼は賤ヶ岳の七本槍など戦上手として高名ですが、実は築城・治水の名手としても知られています。
この構造は阿蘇方面から頻繁に流れてくる土砂を堆積させずに水を通す仕掛けです。このおかげで、水田は火山堆積物や土砂による被害を最小限に抑えることができ、多くの新田も作ることができたのです。田んぼの面積は25倍になったとも言われています。
また、昭和28年の西日本水害では、堤は破壊されましたが鼻ぐりは耐え抜いたそうです。水が豊富な地域の特性を活かし、且つ豊富であるがゆえのリスク管理にも長けた素晴らしい知恵ですね。
まとめ
いかがでしたか? 火の国 熊本は 水の国 熊本でもある所以が伝わったでしょうか。
出典 http://mizukuni.pref.kumamoto.jp/
熊本に行く機会があれば、今度は違う視点で水にまつわる場所も訪ねてみてくださいね。
今まで知られていた部分だけでなく、水の国としての一面も知ることができましたから、また新しい熊本の魅力を発見できることでしょう。