熱戦が続く全仏オープン。日本のエース錦織圭選手(世界ランク6位)が、3回戦でスペインのフェルナンド・ベルダスコ選手(同52位)をフルセット激戦の末制し4回戦へ駒を進めました。これで錦織選手は2年連続のベスト16となります。
出典 http://www.nikkansports.com/
ベスト16(5月29日 or 5月30日)の相手はリシャール・ガスケとなりました。対戦成績は2勝6敗とやや苦手にしている相手で、今回はどのような戦いを見せてくれるのか。展望を予想してみたいと思います。
リシャール・ガスケってどんな選手?
対戦相手のリシャール・ガスケ選手ですが、かなり早い時期から天才と称された才能あふれるプレイヤーです。
現世界ランキング12位。本大会は第9シードでエントリーしています。同ランキングの最高位は7位であり、錦織選手の天敵でもあります。
最大の特徴は強烈なバックハンドでしょう。強力なスピンのかかったバックハンドはどこからも繰り出され、他選手では考えられないほどの角度からショートクロスが打ち込まれるなど多彩です。変幻自在のバックハンドをご覧ください。
サーブやフォアはそこまでの破壊力はありませんが、綿密なラリーの組み立てから放たれるバックハンドは素晴らしいの一言です。ネット前に出てきた選手も軽々と打ち抜いてしまいます。バックハンドの使い手としては世界最高レベルと言っても良いでしょう。
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過去の対戦成績
リシャール・ガスケ選手とのこれまでの対戦成績は2勝6敗。特に初対戦からは6連敗と非常に苦手としていました。
強力なスピンから繰り出される曲がる球筋と変幻自在のバックハンドを組み合わされ、長いラリーでも苦戦を強いられてリズムを狂わされていたのが主な敗因です。
しかし、ここ2戦ではマドリッド・ローマで2連勝中と徐々に苦手意識はなくなってきているようです。
年 | 試合 | コート | 内容 | 勝敗 |
2008年 | AIGジャパン・オープン3回戦 | ハード | 1-6 2-6 |
● |
2010年 | AEGON選手権1回戦 | 芝 | 3-6 3-6 |
● |
2013年 | ロジャーズ・カップ3回戦 | ハード | 6-1 3-6 3-6 |
● |
2013年 | パリ・マスターズ3回戦 | ハード | 3-6 2-6 |
● |
2014年 | シティ・オープン準々決勝 | ハード | 1-6 4-6 |
● |
2015年 | パリ・マスターズ3回戦 | ハード | 6-7(3-7) 1-4 棄権 |
● |
2016年 | ムチュア・マドリッド・オープン3回戦 | クレー | 6-4 7-5 |
○ |
2016年 | BNLイタリア国際3回戦 | クレー | 6-1 6-4 |
○ |
しかもここ2戦で勝っているコートはクレーコートで、全仏オープンもクレーコートです。期待したいですね。
対リシャール・ガスケ|試合展開予想
現在、2連勝中とはいえ錦織選手にとって難敵であることには間違いありません。
勝敗のカギは錦織選手の得意とする速攻やライジングショットで、ガスケ選手の得意のバックハンドをいかに封じ込めるかにかかっていると思います。
前回勝利した、ローマのBNLイタリア国際ではストロークを重ねるごとにガスケ選手を圧倒し考える時間を与えない攻め方でした。錦織選手のスイングスピードは世界屈指と言われ、どんどん早い展開で打ち込みガスケ選手に態勢を立て直させず攻め続ければ有利に試合をリードすることができるでしょう。まずは、相手の態勢でバックハンドを楽に打たせないことが重要になってくると考えられます。
両選手とも調子は良さそうですし、激しい戦いになるのは間違いないでしょう。懸念材料を挙げるとすれば、3回戦でフルセットまで戦った疲れがしっかり抜け切れるかと、ガスケ選手が地元フランスなので完全アウェーでの対戦がどうかということです。
ローラン・ギャロスの観客はヒートアップすることでも有名で、ブーイングも非常に多いのです。事実、昨年の全仏オープンでは準々決勝で、地元のジョー=ウィルフリード・ツォンガに敗れています。
ただ、心身ともに充実している今の錦織選手ならブーイングも跳ね返して好勝負を演じてくれるでしょう!
リシャール・ガスケ|強烈バックハンドの秘訣と片手グリップ
【速報】全仏オープン2016|錦織圭 vs リシャール・ガスケ
まとめ
全仏オープン錦織圭 vs リシャール・ガスケの展望を紹介してきました。
ガスケ選手は強敵ですが、「戦い方はわかっている」と錦織選手の頼もしいコメントもありましたので期待して良いと思います。相手のペースにならなければ、十分に勝機はあるでしょう。
ローラン・ギャロスのブーイングを黙らせるくらいの圧勝劇を見たいですね。