全仏オープン2016で錦織圭と激突するリシャール・ガスケ。その最大の強みはあの片手グリップから繰り出される強烈なバックハンドですよね。錦織選手がどう対峙していくのか今から楽しみなわけですが、なぜ片手であそこまで強烈で且つ多彩な攻撃が可能なのでしょうか。
出典 http://blog.tennisbroadcast.net/
今回は、現代のバックハンド事情をご紹介しつつ、ガスケ選手のバックハンドと片手グリップの秘密に迫ります。
現代テニスのバックハンド
かつてのバックハンドは、フォアハンドやネットプレーへのいわば繋ぎのショットとしての役割が主流でした。
しかし、ストロークに安定感と攻撃力をともにハイレベルで求められる現代テニス界においては、そのようなプレースタイルでは通用しなくなりました。
そこで、バックハンドを攻撃の柱にも据える選手が多くなってきたのです。両手バックハンドで現代スタイルに合わせるのが今のテニス界全体の流れと言えるでしょう。
◇両手バックハンド
攻撃的な両手バックハンドとして有名なのがノバク・ジョコビッチ選手と錦織圭選手でしょう。取り分け、ジョコビッチ選手のバックハンドは、精度・威力ともに桁外れで間違いなく世界NO.1と言えます。
出典 http://akatsuki18.hatenablog.com/
彼のバックハンドは全てがすごいのですが、特にリターンが強烈でエースをいともあっさり取ってしまいます。バックハンドが安定感と攻撃力を合わせ持つ最もわかりやすい例ですね。
◇片手バックハンド
両手バックハンドが主流となる中で、片手バックハンドで攻撃的なショットを繰り出す選手たちがいます。現在、世界で有名なのはロジャー・フェデラー、スタン・ワウリンカ、そしてリシャール・ガスケの3選手でしょう。
フェデラー選手は、他に類を見ない強力なリストワークで、フラットからスピンまでを打ち分けます。彼の右手バックハンドから打ち抜かれるフラットは強烈です。
ワウリンカ選手の特徴は、何と言っても豪快なパワーでしょう。そのパワーでコート後方からでも打ち抜けるバックハンドは非常に強力です。
そして、ガスケ選手は多種多彩な球種による絶妙なコンビネーションに強みがあります。錦織選手もこれにリズムが狂わされ苦しめられました。緩急をつけた上でのダウンザラインへのフィニッシュショットも魅力ですね。
3選手ともに持ち味があって、非常に見ごたえがあります。そんな3選手のバックハンドの共演はこちらです。
リシャール・ガスケの片手バックハンド
現代のバックハンド事情を踏まえたうえで、ガスケ選手のバックハンドの秘密を探っていきましょう。
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◇グリップ
彼のグリップは基本に忠実で、かなり厚めに握っています。そうです、フェデラー選手のようなリストワークは使わないので、厚めのグリップで良いのです。
このグリップが片手バックハンドでの強烈なショットを生み出しています。もちろん、あの超人的なスイングスピードがあっての話ですが。
ただ、基本に忠実であるがゆえにお手本にするには最適かもしれませんね。
◇打ち方
ガスケ選手の打ち方を要点を絞ってお伝えしますね。
テイクバック では、肩をひねって上半身を大きくターンさせています。この体のひねりがパワーの源となります。
インパクト前 には必ずグリップエンドをボールに向け、 インパクト では、ボールをこすり上げるように打っています。このとき、手首ではなく上腕部をしっかり旋回させ、そのトルクをボールに伝えることで強烈なショットを打つことができるのです。
そして、 フォロースルー でグリップエンドを相手に見せるように振り抜くことで肩から腕全体を使いパワーを伝えています。
基本に忠実な現代テニスの片手バックハンドの教科書のような打ち方と言えるでしょう。これら一連の動作を流れるように、且つ凄まじいスイングスピードで打ち抜くことであれほどの強烈で多彩なショットが打てるのです。
最後に、ガスケ選手の華麗な片手バックハンドをスローでご覧ください。
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まとめ
リシャール・ガスケの片手バックハンドについてお伝えしてきました。
今では数少なくなってしまった片手バックハンドですが、まだまだ見どころのある選手が残っていてうれしい限りです。フェデラー選手の目の覚めるようなフラットはすごいですし、ガスケ選手のあの狙いすましたようなダウンザラインへの一撃は見ていて鳥肌が立ちますよ。と言っても今回の全仏オープンは錦織選手に勝ってもらわないといけませんけどね。
熱戦を期待しましょう。